空と君のあいだに

研究と教育と日々の,思考整理の場

情報戦

そういえば,先日,授業中に生徒から女性の胸と尻のどちらが好きか聞かれた.相変わらずの男子校テンションである.聞くところによると同僚教員はそれに回答したとか.だから,私にも答えよと迫ってくる.そのうち,どういうわけか「だから,先生は独身なんだ.○○さんは結婚してるのに」と.余計なお世話だ.さて,私の返しはというとこうだ.「○○さんの奥様にお会いしたことあるよ」と.そうすると生徒は「えっ,どんな人?!」と来る.立場は逆転,こちらが会話の中で優位に立つことになる.情報を持つ者は強いのだ.

この記事を書くために振り返ってみて思いついた.こちらがほのめかす情報を必ずしも自分が持つ必要はないのかもしれない.ここで大事なのは相手に自分が情報量で優位に立ってると思わせることである.先の例で言えば,別に○○さんの奥様にお会いしてなくても良いのだ.生徒との(くだらない)追究をかわす術として使えるかもしれない.

そういえば,この手の戦術は『ディプロマシー』というボードゲームで頻繁に用いられている.『ディプロマシー』は第1次世界大戦におけるヨーロッパを舞台とした陣取りゲームなのだが,プレイヤーは他のプレイヤーと交渉することで自軍の駒を動かす.ここで,自分の絡まない交渉は見えない.従って,他のプレイヤーがどのような情報を持っているか分からず,疑心暗鬼に苛まれながらも同盟したプレイヤーを信じたり裏切ったりすることで覇権をめざすことになる.この『ディプロマシー』,下記のサイトでプレーできる.
Diplomacy MOE2
素晴らしいことにプレイヤー同士の会話が全てログとして残っている.このログを解析すれば,情報戦のなんたるかを分析できると思うのだが….さすがにそんなスキルは自分にはないので,スキルとヒマを持ったどなたか取り組んでみて下され.